ART(体外受精など)に関する情報をQ&A形式でご紹介

ショート法の場合だと・・。

先日はお答えいただいてありがとうございました。また、判らないことが出てきてしまったので質問してしまいました。GnRHアナログは、使用すると初めは下垂体を刺激するけれど10日位使用し続けると逆にFSHとLHの分泌が低下するのでその作用をIVFに利用する、ということですが、ショート法の場合だと下垂体の働きを低下させるというところまでいかないのでしょうか?ということはLHの抑制はできないので、排卵のコントロールはできない、ということになるのですか?というのも、実は自然周期法の時、急に当日の朝に採卵が決まり、仕事上のことで夫が大変な思いをしたことがあるからなのです。また、ショート法では下垂体を刺激するので、それがhMGの働きをして、注射の量が減ったり、採卵までの期間が短くなると聞きましたがそうなるのでしょうか?ちなみに、私はロング法だといつも採卵が17〜18日目で、スプレキュアも丸々2本使ってしまいます。本を読んでも判らないことだらけです。先生、どうぞ宜しくお願いいたします。


回答

私も診察室でショート法、ロング法に関するご質問をよく受けることがあります。今回お尋ねのショート法についてお答えいたします。これは月経が開始した日よりスプレー(GnRHアナログ)を使用する方法です。ご指摘のとおり開始2〜3日は下垂体の刺激に対してFSHとLHは過剰に分泌されます。その後下垂体の反応性が急激に低下をしてFSH、LHは分泌されなくなってきます。10日目にはその分泌は十分に抑えられておりますのでショート法でも排卵はほぼ完全にコントロールされ、採卵前に排卵が起こることはほとんどありません。また自然周期では自分のLH分泌が抑えられておりませんので、自分の都合で採卵時期を決められなかったり、採卵時に排卵が終っていたりすることがしばしば起こります。ショート法は前述のとおり最初に自分のFSHがかなりでますのでその分hMGの注射の本数は少なくて済みますし、採卵までの日数も一日ぐらい短いことが多いです。ですから比較的年齢の高い方や卵巣の反応性の低い方に適した方法であるとされております。

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