検査に関する情報をQ&A形式でご紹介

卵管癒着?腹腔鏡を受けるべきかどうか・・。

お忙しいところ恐縮ですが教えて下さい。30才で、結婚して7年3ヶ月が経ちました。主人は37才で、今までに2回精液検査を受けましたが2回ともOKとのことでした。内1回は昨年12月の検査で1億以上運動率は60%とのことでした。私は過去に2年間、町の産婦人科で不妊症相談もされているところで治療を受けました。24〜26才のことです。そのときの治療はクロミッド・セキソビットを交互に服用し、タイミング指導を受け、その後HCGを3回注射するというものでした。昨年12月より不妊治療に力を入れられているクリニックにお世話になっていますがまだ検査の途中です。卵管造影では右の卵管は通っていたものの、レントゲンでは上方へのびておりました。実際には子宮の裏側とのことだと聞きました。左の卵管は全く写っておらず、癒着しているのではないかということでした。卵巣はエコーで見る限り正常な位置に有るそうです。次の生理後、子宮の内視鏡をすることになっていますが、腹腔鏡をどうするかと言われています。先生はそこまで(腹腔鏡)するかどうかという点も大切なことなので悩んでいる内はホルモン治療などで様子をみてもよいと仰っています。その後のステップとして体外受精になりそうです。そこで腹腔鏡を受けた方が今後の治療にプラスになるのか、しなくても効果は変わらないのか。体外受精も1回35万円前後かかるのでそうそうはできないと思いますし、今後の生活設計のこともあるのでずるずる5年も10年も治療をしようとは考えていません。よろしくお願いします。


回答

お答えいたします。避妊をされなかった期間がどれだけなのか書かれていないですが、24歳頃にすでに治療をうけておられることから実際の不妊期間も十分に長いのではないかと想像いたします。簡単に妊娠されるものなら、もうすでに一回くらいはされておられるであろうことを考えるとかなり難しいご夫婦ではないかと考えます。子宮卵管造影でも異常と思われる所見が認められておりますし、何らかのステップアップが必要かと思います。その観点からお話させていただきます。腹腔鏡は卵管や卵巣の様子をお腹の中から直接に観察が出来、癒着や内膜症などの診断に力を発揮する検査です。この検査を受けてみられることも悪くはないと思います。ただ私自身はあまり積極的には考えておりません。その理由は入院して全身麻酔をしたうえで腹腔内に直接カメラをいれるリスクと大きな負担を伴う処置だからです。そのあげく癒着の有無等は診断できても妊娠可能か否かの確定は殆どの場合できません。結局は検査の後に“妊娠しにくそうですよ”というコメントに終ることが多いと思います。(妊娠にくい人にしかしないのでアタリマエのこと)私の考えではとりあえず一度IVFをお勧めいたします。ワンチャンスあたりの妊娠率は他の方法に較べて断然高いだけでなく卵の質や受精能力、できる受精卵の質など多くの直接的な情報も得られます。ここでは私の個人的な考え方をお示しいたしました。もちろん別な考え方があることも十分承知いたしております。最終的にはより多くの情報を得たうえでお二人が納得して選択されることが重要です。何らかの参考にしていただければ幸いです。

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