不妊治療の始め方(治療の進め方や病院選びのポイントなど)をご紹介

失敗しない不妊治療の始め方

不妊治療には、3段階のステップがあります。どの治療段階からはじめるべきかは、お二人の不妊原因、
奥さまの年齢、価値観などで決まります。病院選びの参考にしてもらいたい情報をまとめてみました!

不妊治療の種類を大きくわけると・・・

  一般不妊治療 ART(生殖補助技術)
治療 タイミング法 人工授精(AIH) 体外受精・顕微授精など
概要 超音波検査などによって排卵日を正確に予測し、夫婦生活のタイミングをあわせる。 排卵のタイミングに合わせて、精液を直接子宮内に注入して、自然な妊娠を期待する。 卵子と精子を体外で一緒にしたり、精子を卵子に注入したりすることでできた受精卵を、子宮内に戻し妊娠を期待する。
医療の介入度 ★★ ★★★★★
費用
(1周期あたり)
5千円〜1万円 1〜3万円程度 30〜50万円を中心に差が
メリット ・身体の負担が小
・費用も安い
・夫婦生活での妊娠
・身体の負担が小
・費用も安い
・自然妊娠に近い
・胚移植あたりの妊娠率は、約24〜33%と高い
・卵子と精子が確実に出会う
デメリット ・1回の夫婦生活で30 代の夫婦が妊娠する確率は約20%。ただし、避妊せずとも1年子どもができなかった方の1周期あたりの妊娠率は数%と低い。 ・1周期あたりの妊娠率は、5〜10%とあまり高くはない ・身体の負担が大
・費用はかなり高い
・卵巣過剰刺激症候群などの副作用が出ることも
こんな人が対象 ・ 卵管が少なくとも片方は通っている
・ 精液所見に大きな問題がない
・卵管が少なくとも片方は通っている
・精子の数が少ないもしくは、運動率がよくないなど
・フーナーテスト(性交後試験)の結果が常に悪い
・タイミング法を半年間続けても妊娠しない
・精子の数が非常に少ない、もしくは運動率がたいへん悪いなど、一般不妊治療での妊娠が難しい
・卵管が両側とも閉鎖
・奥さまが40歳近い高齢
・抗精子抗体の抗体価が非常に高い
・人工授精を6回受けても妊娠しない
・妊娠を急いでいる


◆治療の進め方のポイント

1. できるだけ自然に=最小限の負担で妊娠を目指す

「より自然妊娠に近い、医療の介入度の低い治療ほど、ご夫婦にとっての負担が軽くなります。
治療のステップがタイミング法→人工授精(AIH)→体外受精・顕微授精と上がっていくほど、
身体的にも、精神的にも、経済的にも、お二人の負担は増していきます。
奥さまの年齢が40歳近い、もしくは非常に妊娠を急いでいるというのでなければ、
最小限の負担で妊娠を目指すステップアップ治療をおすすめします」

2. 治療で赤ちゃんができた方の半数が、一般不妊治療での妊娠

「不妊治療で妊娠された方の半数は、タイミング法や人工授精といった一般不妊治療で
妊娠しているのです。すべての人に、体外受精や顕微授精が必要になるわけではありません」

3. 不妊検査を一通り受けてから、治療方法を選ぶ

「逆に、何らかの原因によって、タイミング法や人工授精では妊娠できる見込みがない人が、
一般不妊治療を続けても、費やした時間とお金がムダになってしまいます。
精液検査も含め、基礎不妊検査はできるだけ1、2周期のうちに終えたいですね。
その結果、見つかった二人の不妊原因や奥さまの年齢、不妊期間などを考慮して、
どの治療段階からはじめるかを医師と相談しましょう」

4. 治療効果が期待できる回数を、ステップアップの目安にする

「タイミング法で妊娠される方のほとんどは12周期以内に、
人工授精で妊娠される方の9割は6回目までに妊娠されています。
つまり、これこそが、それぞれの治療方法に効果が期待できる有効回数なのです。
もちろん残る1割の方は、それ以上チャレンジされたからこそ妊娠されたわけですが、
決して確率は高くはありません。
タイミング法を1年、人工授精を6回続けて受けて妊娠にいたらない場合は、
その治療方法では乗り越え難い不妊原因があると考えて、
治療段階をステップアップされることをおすすめします」

5. 年齢的なリミットを意識しながら

「卵子の質は、加齢によって低下します。
出産経験のある女性でも、35歳をすぎるとあきらかに質が落ちてきて、
38歳からはより顕著になり、40歳を超えると妊娠しづらくなってきます。
卵子の質は、高度生殖医療を持ってしてもカバーできないのです」

6. 必ず二人で選び、二人で決める

「““子どもは欲しいけれども、体外受精までは考えられない”
そんな思いでスタートした不妊治療も、
長く続けるうちに考え方が変わってくることがあります。
原因がどちらにあろうとも、不妊治療は夫婦二人で受けるものです。
憶測ではなく、常にお互いの気持ちを確認しながら、
納得したうえで治療を進めていくことが重要! 
後悔しない最大の秘訣は、二人で選び二人で決めることです」

◆病院選びのポイント

1. 不妊治療に、本当に力を入れているか

「“不妊治療を行っている”とはいっても、十分な不妊検査を行わず、
夫婦に選択の機会を与えないまま、漫然と1年以上も、
タイミング法だけを続けるような病院もあります。
力の入れ具合を確実に推し量る指標はありませんが、
少なくとも体外受精や顕微授精などのARTを行っている施設であれば、
ご夫婦が選ばれたわけではないのに
効果の期待できない治療を続けさせるようなことはないでしょう」

2. 一般不妊治療からARTまで幅広い治療を行っている病院へ

「不妊治療専門施設の中には、ARTだけしか行っていないところもあります。
最初からART希望!というわけでなければ、
一般不妊治療も行っていることを、ホームページや電話などで必ず確認しましょう!」

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